【2017年参加】 香川大学 経済学部 F.Tさん
今回のインターンシップで、財務局の業務内容や、社会人に向けて私自身に足りないことなどが学べた。まだ学生として責任感や緊張感を持ちつつも、自由な発想を前面に出してほしいという期待をしていただいたので、できるだけ積極的に参加や発表を行うことを目標に取り組んだ。
まずは財務局の業務内容について。インターンシップ前の私のイメージとしては何か一つの業務を専門にしていると思っていた。しかし今回のインターンシップを通して財務局の業務の多さにとても驚かされた。四国財務局は大きく分けて3つの部、19の課に分かれており、今回だけで10ほどの課にお世話になった。どの課も私たちに対して優しく接してくれるだけでなく、その課や部の中でも多くのコミュニケーションをとっており、横のつながりや縦のつながりをとても大切にしているように見えた。
ここからは上で述べた研修の中でも印象に残った業務について述べたい。
一つ目は災害査定立会制度である。この現地実習を行っている際に、仕事に対しての強い責任感とやりがいをもって取り組んでいることが、表情などを通して伝わってきた。災害現場に訪れて、短い時には約30分で現状を把握し査定までもっていくというかなりハードな仕事・スケジュールである。そんな中私たちに対して丁寧な説明をとても楽しそうにしていた姿を見て、仕事というのは「やらされている、しなければならない」気持ちではなく、「したい、さらに高みを目指して地域に貢献したい」気持ちを持って取り組むほうが圧倒的に良いことを実感した。
二つ目は若手プロジェクトチームによる地方創生に向けた活動である。これは平成27年9月に「若手にしかできない地方創生支援を」を考えに自発的に立ち上げられた。主な活動としては、地方公共団体への訪問、地方創生フォーラムの開催、地方公共団体の政策意思決定への参加、大学生インターンシップ実習に関与することなどである。私たちインターンシップ生としても年齢が近いことにより話しやすさを感じると同時に、自分自身もあと数年後にはこのような社会人になりたいと強く思った。いわば身近なところに自分が目標とする姿がある環境を作り出していた。
今回の取り組みとしては、身近な例として小豆島を取り上げて、どのようにすれば今後小豆島の地域は維持、活性化することができるかについて具体的に近年の人口の増減や、各産業の全体に占める割合を、グラフで表現しつつプレゼンテーションを行った。このプレゼンテーションを通して私は発表の上手さではなく、むしろ、準備と発表後の疑問・質問に対する回答の大切さを学んだ。私は発表後にされた質問に対して上手く返すことができずに、結果として不十分な形で終えてしまった。資料作成の段階で後から質問されそうなことに対してあらかじめ調べて知識を持っておくことで臨機応変に対応しようという考えがなかったからである。この感想を発表した時に、「それを社会人に出る前から知り、実際にできるようになれば大きな財産となる」と鼓舞していただいた。
三つ目は経済調査業務の経済動向調査である。これは実際に企業に出向いて経済動向をヒアリングし、数値の上だけでは把握することができない事情や環境を知り、そのうえで景気動向を発表するということを年4回のペースで行っている。ここで学んだことは聞き上手、話し上手になることの必要性である。地域の人々と実際に会って話すことが多いこの業務において、こちらから質問しないと何も聞き出せずに終わってしまうおそれがある。そうならないために前もって質問を考えておくことや、現地に赴いて初めてわかる変化に敏感になることが必要である。さらに相手が話す内容についての知識を持っていないとせっかくお話していただいてもそこから発展せずに深い話し合いにならない。メモを取りながらも質問し、相手の話す内容を理解してまた質問をする。一見できそうに見えても実際に行ってみてとても難しく感じた。
最後に今回、インターンシップを受け入れていただいた四国財務局にとても感謝している。多くの職員の方と接する機会があったがどの人も優しく、若手の方もはつらつと働いていらっしゃって、とても素敵な職場でした。国の出先機関でありながら地域の企業や人々と密接につながっており、私の目指す場所のひとつとなった。来年からは職場が今現在の場所から高松のサンポートに移り新しいところで働けるということでとても惹かれている。本当に充実した体験をさせていただき、誠にありがとうございました。