【2015年参加】 香川大学 経済学部 Y.Yさん

香川県警察のインターンシップのテーマは「交通安全」であった。主な研修内容は、反射材照射実験、交通キャンペーンや交通安全教室への参加、施設や訓練の見学、模擬現地診断、交通規制の企画・立案・発表、交通安全チラシの作成・配布であった。
研修内容の中で最も貴重な体験だと思ったのは模擬現地診断だ。一年前に重大事故が発生した実際の事故現場にて、当時の事故概要や道路環境を踏まえて、事故発生の原因や問題点を考えるという内容であった。模擬現地診断の後、数々の問題に対しての改善策を、理想案と現実案に分けて考えた。そこでは、法律に反しない対策であっても、地域住民から反対意見が多く出るようでは改善策とは言えないことがよくわかった。交通安全対策においては、行政の提案と地域住民の意見が交差するなかで、いかに折り合いをつけて進めていくかも重要であることを知った。
今回のインターンシップの中でもう一つ学生への課題とされていたのが「交通安全チラシ」の作成である。私は「反射材による歩行者の交通事故防止」をコンセプトにチラシを作成した。このテーマを選んだ理由は、初日に参加した反射材照射実験で、実際に自分たちが反射材の有無による見え方の違いを体験したことで、その重要性がよく理解できたからである。そして、交通キャンペーンにて、自分たちが作ったチラシを配らせていただいた。ただキャンペーンに参加するだけでなく、チラシに自分たちのメッセージを載せて、地域の人々に対する交通安全の啓発に関われたことをとてもうれしく思った。研修の中で取り組んだこれらの課題からは、チームで協力して問題解決に挑むことの重要性や大変さを学び、また、自分のメッセージを伝える表現力を鍛えることができたと思う。そして、改善策やチラシを交通部門の方々の前で発表させていただいたが、自分たちの考えを実際にその現場で働く人々に提案、発表する機会は私にとって初めてで、社会人として働く中での緊張感や、発言の重みを味わえる大変貴重な経験となった。
これまで警察といえば取締りのイメージが強かったが、今回のインターンシップに参加して、それとは違った警察の内側の仕事を見ることができた。警察にはこれまでの私が抱いていた想像を超えるたくさんの業務があることを知り、また、職場には個性や活気が溢れていると感じた。さらに、事故防止を考えるなかで、警察官の方々がどのような思いで働いているのかを知ることができ、人々の命を守る警察官の仕事は大きな責任があると同時に、大きなやりがいもあると感じた。