【2017年参加】 香川大学 工学部 F.Yさん
(電気系インターンシップ)
今回、私は四国旅客鉄道株式会社(JR四国)様のインターンシップに参加させていただきました。インターンシップ先を選ぶにあたり、「鉄道が好き」という安易な理由で志望した会社でしたが、想像以上に有意義な経験をさせていただいたと思っております。
まず、準備段階でインターンシップが10日間に及ぶ、ということを知ったとき、私は正直そんなに「長い」期間にわたり、実習ができるのだろうか、と心配でした。勢いで「電気系統」を選択したことについても、私自身が電子情報工学科であるということ以外の理由もなかったため、不安しかありませんでした。
様々な不安を抱えて挑んだ実習初日、不安は的中しました。1日目は説明講義の受講などが主な活動内容だったのですが、知らない単語が多すぎたのです。話を整理するとどうやら電気系統には「強電系(主に電圧の大きなもの、変電所などを扱う分野)」と、「弱電系(信号通信など電圧の小さいものを扱う分野)」の2種類の分野があるそうで、この区分けすら知らなかった私ははなから論外ではあったのですが、私が学校で学習している分野はどうやら「弱電系」の分野に分類されるそうです。実習第1週は強電分野がメインだったこともあり、1から知らないことの勉強をする形になってしまい、その点については本当に大変でした。しかし、それが苦痛であったかというとそういうわけではなく、単純に「知る喜び」が大きいというのが1番の感想です。講義形式の座学だけではなく見学が多くあり、日常私たちが生活するにあたってみる機会がないものや、現在実際に進行している工事計画の現場などを見ることができました。座学で教わったことを、早いときはその日のうちに見学したりしたことによって、予備知識の少ない私でも理解が追い付いたので、とても有意義だったと思います。
実習後半はいよいよ弱電分野についてでした。やっと少しわかる分野だと息巻いていたのですが、「鉄道における」弱電分野は、はっきりいって全く未知の世界でした。現在大学では「電気回路」「電子回路」などの授業を受講していたため、「鉄道回路」も理解できるかな、と考えていたのですが鉄道回路の規格は独特で、使用されている記号でさえ知っているものがほとんどありませんでした。今回携わったのは踏切に使われている結線回路でしたが、JR四国では回路に電子基板を用いておらず、すべて「リレー」というスイッチのような部品を使用し、組み立てられていたことも衝撃でした。どう考えても電子基板を使用した方が効率的であると思ったのですが、回路に異常が認められた時の対応が電子基板に比べてリレーの方が回路構成を目で追うことができ、原因の探索と早期復旧の対応がやり易く、技術力の維持・向上そして継承につながるときき、たしかにそうだと納得しました。四苦八苦しながらもなんとか1番簡単な踏切の結線回路が組めたとき、また自分たちで配線した踏切が正常に動作したときの喜びはとても大きかったです。
10日間、長いと感じていましたが思い返せばあっという間でもう少し詳しく知りたかったこと、みてみたいと思ったものもあるほどでした。また、業務内容や知識はもちろんですが、「チームワーク」というものの本質にも気づけた10日間だったとも思います。与えられた課題は難しく、おそらく一人では絶対に解決できないものでした。班員と協力して考えることによって正解にたどり着くことが出来たと思っています。
想定以上の貴重な経験をさせていただき、対応してくださった社員の方々には感謝してもしきれないほどです。本当にありがとうございました。