【2014年参加】 香川大学 農学部 Y.Oさん

私は、広野牧場で5日間のインターンを行った。期間の前半は搾乳や水飲み場の清掃、餌やりなどの成牛の世話を、後半は子牛のミルクや小屋の清掃等の子牛に関することを行った。酪農の体験は今までにはなく今回が初めてだったので、わからないことだらけだったので大変だった。
搾乳は朝と夕方に行い、私は朝の搾乳の手伝いをした。搾乳は朝5時からという朝早くから行い、何百頭という牛の搾乳を行うので大変だった。広野牧場では、搾乳はパーラーで行っていて、まず牛をパーラーに誘導し、消毒、前絞りによるミルクの状態の確認、搾乳器の装着の順で行っていて、搾乳と同時に牛の健康の管理も行っていた。
初めは搾乳器の取り扱いが難しくうまく装着ができなかったが、初日が終わるころには使い方が分かってきて2日目以降はスムーズに装着ができた。搾乳器の取り付けは牛の後ろで行うので、糞尿が飛んで来たり、後ろ足で顔を蹴られたりということもあり大変だった。

搾乳の次に、水やり場の清掃を行った。水飲み場は牛舎の中にあるので、牛が飲みに来るときに土を水飲み場付近に寄せてしまうので、水飲み場の清掃と、その土をどかす作業で土はスコップでどかすのだが、結構量がありまた重いので腕がけっこう疲れる大変な作業だった。また、作業中にも牛が寄ってくるので初日は牛にまだ慣れていないこともあり少し怖かったが、この作業で牛と触れ合ううちに恐怖心もなくなった。牛は見た目とは違い臆病な動物なので襲い掛かってくることもなく、またこちらの誘導にも従ってくれるのをこの作業中に知ることが出来た。

この二つの作業と、清掃等で代替午前の作業が終わり、午後の作業はまず牛のえさやりからだった。まず食べ残っている飼料を端に寄せてから、大きな袋に詰められている飼料をフォークを使って配るという作業で、これもスコップほど大変ではないが、フォークで飼料を運ぶので腕にくる作業だった。そして午後はそれと牧場で飼っているポニーの散歩をした。ポニーは酪農で何に使うのかと思ったが、実際は従業員の方が飼いたいといって飼い始めたもので広野牧場では他にも犬や猫を飼っていた。
成牛の世話は大体これで1日分だったが、このほかにも初日は子牛のセリの見学を、2日目には牛の妊娠鑑定の手伝いをした。セリは一般のほかのセリと同様の感じで行われていたが、子牛が次々に出てきて素人目ではどこを見て評価してるのかが分からなかった。妊娠鑑定では牛を見せるために紐を使って牛をつなぐのだが牛がなかなか言うことを聞いてくれなかったり、動いてくれなかったりしたのでとても苦労した。

期間の後半は子牛の世話全般を行った。まず朝は最初にミルクと餌を与えた。ミルクは子牛一頭一頭ごとに量や内容を変えたり、子牛の様子を見て次の分の量を考えたりといろいろ考えながら与えていた。ミルクを飲み終えた子牛には餌をあげつつ水に変える作業をした。子牛とはいっても力が強く、えさを手で与えているときも餌を食べようと前に突っ込んでくるので餌を与えるのも大変だった。また、ミルクや、水、餌などはバケツで与えるのだが子牛の量が多く、バケツを洗うのだけでかなりの量があった。
餌やりの後は、小屋に入れているおがくずの入れ替えを行い、小屋の掃除を行った。小屋の掃除は今牛が入っていないものを洗うのだが、土や糞など様々なものがこびり付いていて、一つを洗うのにもすごい時間がかかってしまった。午後もおがくずの追加とミルクと餌やりを行った。子牛はとてもかわいかったが、作業中に小屋を壊して逃げ出した子牛もいて、子牛といっても力は強いということが分かった。
酪農はどのような作業をするのか今まではぼんやりとしかわからなかったが、今回インターンで実際に働いて体験することでその大変さを知ることが出来た。今までは柵の中に外側から管理するというイメージがあったが、実際には柵の中に入り、牛と密接に触れ合うことで牛との関係を築いているということが分かった。また従業員が女性のほうが多く、インターンに来るのもほとんどが女性だというのも驚きだった。今回の体験を将来の職業選択等において役立てていきたいと思う。