【2024年参加】 香川大学 経済学部 M.Iさん
私は、5日間四国新聞社でインターンを行った。インターン先として選んだのは、読書が趣味であり、活字に親しみがあったため、出版社や新聞社関係の職業になんとなく興味を持ったからだ。参加に当たって、明確な将来ビジョンや目的を持っていたわけではなく、開始前も期待より不安の方が大きいなど正直モチベーションがあまり高くなかったが、最終的に5日間を通して得るものがあり、参加してよかったと思っている。
初日と2日目は県警クラブでお世話になった。初めて取材や裁判に同行し、短い記事を書いた。体験したことは少ないはずだが、初日ということもあり勝手が分からず、全てが初めてであったため、一番印象に残っており一番疲れたところでもある。3日目は整理部でお世話になり、新聞の紙面を組み立てる現場を見学した。4日目、5日目は遊軍でお世話になり、取材と記事作成を行った。
3日目以外は取材と記事作成という、文字にすると同じ仕事を体験したが、県警クラブと遊軍では全然雰囲気や感覚が異なり、もしかしたら人の気質の違いなどもあるかもしれないが、たまに耳にする「同じ会社でも部署による」というのを実感した。
5日間を通して、新聞社への理解を深めることができた。今まで自分が新聞社で働くことをイメージしにくく、想像してもロールプレイングゲームをしているような感覚だった。小説やドラマで見るようなイメージでしかなかったものが現実に感じられるようになった。
新聞記者は常に忙しく動き回るというイメージがあったが、常に忙しいということはないようだ。5日間で、私は「良くも悪くも時間に縛りがない」と感じた。新聞は翌朝には配達しなければならないため、新聞を作成するまでの仕事の締め切り時間は決まっている。それまでの間に、裁判の傍聴や取材を行いながら、なにか新しいことがあれば現場に向かい新しい記事を書く。紙面を作る整理部は記事が送られてくるまでは何もできないが、記事が揃い始めてからが本番である。また、紙面を作っている途中に新しい事件や事故が起こり、記事の優先度が変化するとそれに対応して紙面を組みなおすなど、流動的な職業だと感じた。
また、社会人になることに漠然とした不安があったが、実際働いている方の意見や考え方を聞き、現場を見るうちに働くということに関する見解が少し深まった。企業に所属していても結局は人の集まりであるため、役職がつこうと等身大の自分の延長でしかないのかもしれないと思った。
今回の5日間のインターンシップを通して、実際に現場を見て体験することで新聞社という職業への理解を深めることができた。そして、自分の長所・短所の確認や働き方に関する価値観など、今までなんとなく避けていたことに関してきちんともう一度考えることができた。