【2020年参加】 香川大学 法学部 K.Yさん

私がこの5日間のインターンシップで感じたことは3つある。
1つ目に、警察の業務の幅広さである。今回、主に体験したことは「交通事故の原因分析とその解決策の提案」である。私たちにとって交通警察の仕事とは、「パトカーや白バイに乗ってパトロールし、交通違反を取り締まるもの」と認識されている。しかし、交通事故抑止には3つの要素(安全教育・(道路)環境・取り締まり)が必要であり、私たちが思い浮かべる仕事内容は、そのうちの1つにすぎない。ある1つの目標を達成するためには1つの面からではなく、様々な角度からアプローチする必要があり、それは警察の業務でも同じことなのだと学んだ。

2つ目に、道路の維持や交通安全には、様々な組織や人が関わっていることである。私は今回、「道路環境」の面から交通事故を分析し、事故の再発防止を交通規制や施設整備の観点から検討した。道路を管理する主体として「交通管理者」(警察)と「道路管理者」(国・自治体)が存在し、前者はより安全に走れる道路を、後者はより走りやすい道路をつくることを目指している。両者の関係は密接であるため、交通安全や快適な道路のために何らかの設備を設置しようと考えても単独で勝手にできるわけではなく、相手と調整する必要がある。相手が納得しなければ、話し合いを重ねる必要もある。また、その道路を主に利用する地元住民との調整も不可欠である。実情とかけ離れた交通規制や施設整備は、別の交通違反や事故を引き起こす原因となり、意味をなさないものとなってしまう。これまでは、道路の管理は警察だけが行っていると思っていたが、警察と道路の管理者、地元の住民が関わっており、その間で組織の意見を主張し調整できる能力も、警察官に求められているのだと感じた。

3つ目に、警察行政事務の仕事の多彩さである。警察組織には警察官だけでなく、事務職員が存在していることは知っていたが、彼らが具体的にどのような仕事をしているのか、あまり分からなかった。私と同じ大学・学部の卒業生で実際に事務職員として働いている方から仕事内容についての説明を受け、警察行政事務に対するイメージが変わった。行政事務は会計・鑑識・交通規制・免許センター・拾得物の受付など多彩な業務があり、市民と接する機会も多いことを知った。また、警察官と行政職員の両者が存在してこそ組織が成り立つのであり、これまで考えていた、行政職員は「縁の下の力持ち」という存在ではなく、警察官と「両輪」の関係にあると感じた。

私は以前から香川県警の警察官を志望しており、仕事内容や組織の雰囲気を知りたいと思い、今回のインターンシップに参加した。また、警察官として採用された後は、交通部門での仕事を希望していたため、今回の体験内容は、自分の将来の希望と一致したものであった。今回のインターンシップは、警察の仕事についての理解が深まり、警察官を目指す気持ちがより一層強くなる、大変充実したものであった。