【2020年参加】 香川大学 法学部 K.Iさん
香川県警察本部にて、5日間にわたり就業体験をさせていただいた。主には、香川県の交通事故防止に関連した職務であった。今後の交通事故を防ぐため、県内の交通事故情勢について改めて学んだ上で、過去に起こった交通事故発生状況の記録の分析や、交通死亡事故現場の点検、交通事故防止に係る注意喚起を行う手段である。ラジオや道路交通情報板の原稿作成を行った。更には、交通安全教室の指導員補助、鑑識体験等、普段は滅多に体験できないであろう様々な職務に携わった。これによって、‘‘警察官‘‘について、今まで以上に身近に感じた。
言わずもがな、香川県は、交通事故による死亡者数が非常に多い。私は、本事実につき、以前から関心があった。県内での交通事故を防止するために、警察ではどのような取り組みを行っているのかについて知りたかった。今回、これについて学ぶことができ、興味深かった。中でも、特に印象に残っている活動としては、現場点検が挙げられる。現場点検とは、簡潔に言うと、交通事故現場の点検を行い、再発防止のためにはどういった施策が必要か、検討することを指す。今回は、交通事故が起こったと想定し、実際に現場に赴いた。事前に配布されていた紙面上では読み取れなかったことや、現場に足を運んだからこそ得ることができた情報が多くあった。現場を‘‘みる‘‘という工程は、重要度が非常に高いと感じた。加えて、交通状況や道路環境、更には関係各所の方のお話やご意見を踏まえて、事故に至った要因を考えた。そして、今後、本道路に必要とされる具体的なものにつき、メンバーと意見交換をしながら考案し発表する、という貴重な体験をさせていただいた。他のグループの意見について聴き、自分にはなかった着眼点やアイディアを学び、良い刺激にもなった。
この現場点検の体験から、警察にしかできない、言い換えれば、警察だからこそできる取り組みを行うことが重要であると分かった。例えば、法令違反事由について取り締まりをしたり、交通規制をしたりする行為は、警察官にのみ認められた権限である。しかしながら、これは、一方的に権力を主張・行使することとは異なる。今回の現場点検で言えば、特に利用頻度が高いであろう、地域住民のニーズや要望を考慮し、理解をいただけて警察が職務の遂行に移れる。こちらが良かれと思ってした行動が、実は相手方にとってはそうではなく、傷つけたり、ひいては新たなトラブルの原因になったりしてしまうことも考えられうる。理解し、協力し合うことで、警察機関と地域とのコミュニティがより一層強まり、円滑に物事を進めることが可能になるだろう。すなわち、警察が人々の暮らしの安全を維持するためには、地域や公共団体との結びつきが、必要不可欠なのである。‘‘安全‘‘が確保されて、初めて‘‘安心‘‘することができる。こうして、「安全安心な香川県」が保たれているのだと実感した。また、警察官の方々は、自らの仕事について、やりがい・誇り・愛、そして責任感を強くもっておられた。本インターンシップ中、そのような姿を何度も拝見させていただいた。自分の仕事が好きだ、とも仰っていた。私も、このように感じられるような仕事を見つけ、励みたいと思い至った。肉体的にも精神的にも鍛えられた、学びの多い、非常に充実した5日間であった。今回、参加して吸収させていただいたことを、これから存分に活かしていくつもりだ。以上が、香川県警察本部での就業体験を終えての、私の感想である。