【2021年参加】 香川大学 農学部 T.Aさん
私は牧場に行ったことがなく、酪農についての知識もなかったので、最初は従業員の方々に迷惑をかけないか、与えられた仕事はきちんと自分にこなせるのかとても不安でいっぱいでした。しかし、1つ1つの仕事を従業員の方々が丁寧に教えてくださり、作業中にわからないことがあっても質問すると、手をとめて熱心に教えてくださりとても働きやすい環境でした。仔牛にあげるミルクに整腸剤や下痢止めを混ぜていたり、餌にも成分の違う2種類の餌を混ぜたりなど仔牛が健康で良い牛に育つためにたくさんの工夫がなされていることを知りました。また従業員の方々の牛に接する対応をみて1匹ずつ愛情を持ち、大切に育てられているのだなと感じました。大人の牛でも仔牛と同様に整腸作用のある薬を混ぜたり、美味しく食べれるように風味を付けたり、逆に太りすぎないために栄養価の低い餌をあげたりとたくさんの配慮がなされていることを知りました。
1,2,3目は主に仔牛のお世話をしました。生まれたばかりの仔牛は哺乳瓶からミルクをあげるのですが、なかなか飲んでくれなかったり、暴れたりなど自分の思い通りにいかないことが多く大変でした。また生まれてから2,3日しかたっていないのに力がとても強かったのがとても印象に残っています。朝に仔牛の小屋の掃除を行うのですが、おがくずを掃き出す作業が仔牛のお世話の中で一番大変でした。ほうきのようなもので掃き出すのだが、結構な力仕事で大変でした。
3,4日目は搾乳を主に行いました。プレディッピング→前絞り→プレディッピング→搾乳という流れで行うのですが、最初にプレディッピングはミルクが出る部分を清潔にふき取りをする作業で、嫌がって後ろ足で蹴るなど暴れる牛もいて怖かったが、だんだんと慣れていき3日目はおとなしい牛ばかりやらせてもらっていたが、4日目はどの牛でも搾乳ができるようになれ、とてもうれしかったです。前絞りでは、ミルクが出やすい牛もいるが、たまに出にくい牛もいて大変でした。また前絞りでは牛からとれたミルクに異常がないか見る作業のことで、1匹ずつ異常がないか毎回チェックを行っており、管理も徹底されていることを知りました。
私は1匹ずつしか行うことができなかったが、従業員の方は同時に二匹の牛をみており仕事の速さに衝撃を受けました。牛は1日朝と夜の2回搾乳を行うのですが、一回で20Lのミルクがとれ、このミルクの量に驚いたとともに、牛たちの体のつくりのすごさに感心しました。
その他では広野牧場の社長である広野さんとお話しする機会があり、たくさんの話を聞くことができました。なかでも「わからなくてもとりあえず行動に移してやってみることが大切である」ということや、「自分の意見を正しいと思わず、牛たちを一番近くで見ている従業員の方々の意見を取り入れ、それをとりあえず実践してみて、うまくいかなかったらまたもとに戻せばいい」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
このインターンシップで酪農についての仕事内容の他にも、考え方などたくさんのことが学べました。大変なこともたくさんあったが、充実した5日間を送ることができ、自分を成長させることができたと思います。