【2019年参加】 香川大学 農学部 K.Rさん
インターン実施日:
8月26から30日の五日間、有限会社広野牧場さんでインターンシップを行いました。インターンシップは前半と後半で作業を行う内容が異なり、8月26・27・28日は仔牛のお世話、29・30日は搾乳の作業をさせていただきました。
実際の作業内容:
インターン初日は仔牛に与えるミルクを作成し、牛ごとに異なるミルクを専用のバケツで仔牛に与えました。全く仔牛の名前や場所が分からなかったため、牛を間違えないように口頭で確認しながら作業を行いました。全ての仔牛にミルクがいきわたると、ミルクを入れていた容器の回収及び回収した容器の洗浄(初日の洗浄作業は行っていない)があり、その後に仔牛の部屋の清掃を行いました。部屋を掃除する際には必ず消毒液に浸したトンボを使用し、部屋の掃除を行うのですが、なかなか部屋のオガくずを回収できないため、大変時間がかかってしまいました。また、当日に仔牛のせりがあったため、仔牛を出荷用のトラックに乗せる作業をお手伝いさせていただいた後に、市場でせりにかけられる様子を見学しました。午後はミルクを仔牛に与えた後に、飲み水を交換して作業終了となりました。2日目・3日目はこれら午前の作業に加えてオガ足し(2回)餌の混合、水足し、2回目のミルクの作業を行いました。一日の作業が大まかに分かるようになってきたこともあって、一つ一つの作業を従業員の方の動きを見ながら行うように気をつけましたが、一方で、指定された仔牛を間違えてしまったことや、部屋のオガくずを十分に回収できなかったこともあり十分に作業することができませんでした。
4・5日目からは搾乳の作業になり、朝5時から夕方4時まで作業を行いました。搾乳作業は10時ごろまで行い、それから牛の水飲み場の清掃、午後からの作業は牛乳のサンプルを取る容器を番号順に並べる作業を行いました。
搾乳の作業は、牛の乳房をきれいにすることと、人が搾乳機を付ける前に牛乳の様子を確認する前搾りがあります。牛によって上手く絞ることができる場合とそうでない場合があり、後者の場合牛の抵抗に合うこともあります。搾乳機を付けるためには上手く立回る必要があり、経験の無い私には難しいこともありました。その場合、自分の手に負えないと素早く判断することが必要でした。作業によっては、私が上手くできないことも多くありました。しかし、何度も指導していただく中で、一つ一つの作業を丁寧に確実にすることが非常に重要であるとわかってきました。搾乳の作業は自分が日ごろ飲んでいる牛乳が、どのように生産されているかを知る重要な作業でした。搾乳量が表示される中で、牛は平均15から17リットルもの乳量を生産し、多いと27リットルもの牛乳が取れた表示を見たときに乳牛が本当にすばらしい生き物であることを知りました。
インターンを通じて得たもの:
書ききれないほどありますが、一番は乳牛について知ることができたことだと考えています。乳牛は乳を生産するために、妊娠と出産を繰り返すこと(約10ヶ月ごと)や、お産を軽くするために雑種が用いられること、多くの乳を生産するために貧血に注意する必要があること(乳は血液からできる)牛は、きれいな水で無い場合、水面に口を付けて飲まないこと(毎日牛の水場を清掃する)牛は暑さに弱いこと(牛の胃は発酵を行うタンクのようになっていて発熱する)これらは、インターンする前は知らなかったことです。動物と仕事をすることは、怖くなる瞬間もあります。これは、何がきっかけで命を奪う結果につながるか分からないことや、自分がそのきっかけになることがあるからです。仔牛のミルクを間違えたときも、これが取り扱いに注意が必要な薬品の入ったミルクだったらと思うと心臓が冷たくなる思いになりました。また、仔牛が勢いよくミルクを飲んだり、きれいにしたばかりの水場から水を飲んだり、夏に減少する乳量が回復したことを聞いたときはやっぱり嬉しかったです。今回のインターンを通して、少しですが、生き物と仕事をするということはこういうことだと実感しました。
5日間のインターンを通して、仕事をすることへの喜びや、難しさについて触れられたと思います。もし少しでもインターンシップに興味があるなら、ぜひ参加して欲しいと思います。