【2021年参加】 香川大学 創造工学部  O.Yさん

私は、株式会社合田工務店でインターンシップを行いました。今回の体験を通して、実際の職務の難しさ、厳しさを知ることができたと同時に、学生である私がまだ社会に出るべきではないと痛感しました。与えられた業務を当たり前にこなすことが、建設業界ではもちろんのこと、社会においては一番に求められることだと再認識しました。企業においての業務は、他会社との連携もあるため、小さな誤りも許されず、工期が決められています。私が体験をさせていただいた現場監督という職種は、そういった決まりの元、懸命に会社に尽くす必要があります。また、現場監督には様々な仕事が存在し、自らが考えて業務を済まさなければなりません。しかし、それらの業務を全て成し得たとき、想像もできない達成感に満たされ、建築物が街の美しい景観の一部になる感動を生むのです。物を創作するという分野において、最も大きな形を生むことができるのは「建築」。私は、そのような素晴らしい業界に一歩近づくことができたと、インターンシップを通して感じました。
実際に私が体験をさせていただいた業務は、建設現場での施工管理や、現場写真の撮影・データ整理、コンクリート打設の際に必要となるコンクリート量の計算などが主です。このほかにも非常に多くの業務の存在を知ることができました。建設業がどのようなものなのかを学び、大学で得た知識がどのように活かされているかを確認できました。これからの大学生活や就職活動に役立てていきます。
インターンシップを通して、職務の難しさや厳しさを知りましたが、もちろんやりがいも感じられました。大きく分けて二点あります。
一つは、毎日現場に出て、工事に携わり仕事の進捗度が手に取るようにわかることです。建築物の基礎工事に始まり、測量や安全管理などを経て完成になります。その過程で、建築物の構造を設計図と見比べながら行う業務は、現場監督でしか味わえない楽しさになると思います。大きな建築物になると、その日の施工段階を再び見ることになるのが数年後だということがあり、非常に多くの人々が工事に関わっていることがわかります。
そしてもう一点は、現場で働く方とのコミュニケーションです。特に現場監督は、四つの管理(安全管理、品質管理、原価管理、工程管理)をしなければいけないため、現場監督同士の対話はもちろんのこと、他会社の職人さんとのコミュニケーションが必要です。失敗が許されない中、図面片手に電話で対応するインターンシップでの現場監督の方は、非常に輝いて見えました。「大変だ」と呟きながらも、そのお顔は達成感に満ち溢れ、私も「この感情を味わってみたい」と感じました。そういった姿に近づくには多くの時間を要すると思いますが、将来の自分を描きながら業務をこなしていきます。
必要とされるスキルの面においては、建設業界で職業を得る上で重要なCADのスキルを始めとする、コンクリート打設の際のコンクリート量計算の能力や、建設現場においての安全管理能力などが自分には不足していると感じたため、残りの学生生活では知識やスキルの向上を目指します。加えて、前述したように、社会に出るとコミュニケーション能力も問われます。これは最も重要な要素とも言えるのではないでしょうか。学生間だけでは得られない能力が、社会では必要になると思います。面接の練習や就職活動を多く積み、そういった部分を補った上で、社会人になりたいと思います。
最後に、今回の鍛え上げインターンシップを通して、自分が持っている能力や足りない能力が明確になりました。業務をこなしているとき「知っている」「得意だ」と思えると、より深く知りたいと感じ、その時間が有意義なものになりましたが、まだ学生である自分には知らないことの方が多かったです。そういった場合は、将来の自分が上手く思い描けず、不安で胸がいっぱいになりました。しかし、ある現場監督さんの「僕たちも現場では学ぶことばかりだ」という言葉を聞いて、少し救われました。長い年数、現場監督として働かれている方も日々学ばれていると知ると、大変ではありますが、それは大いなるやりがいになるのではないかと私は考えました。毎日の異なる作業が、一つの大きな目標に繋がることの素晴らしさを、このインターンシップでは感じました。今回の体験で、精神的にも身体的にも、さらに学力においても成長させていただきました。私は、社会人になるまでのもう少しの時間で、さらに自分と向き合い、建築業界に必要とされる人になります。