【2024年参加】 香川大学 経済学部 K.Kさん
(都市計画課・交通政策課)
私は今回、大学斡旋の「鍛え上げ型インターンシップ」で高松市役所の都市計画課と交通政策課に、計五日間受け入れていただいた。この五日間の感想は、「将来の選択のためにとても有意義な時間だった」である。
私は、元々公務員か民間に就職するか決めかねており、このインターンシップを通じて、公務員に就職するか、民間に就職するか決めようと考えていた。しかし、就職活動を進めていく中で、このインターンシップ参加前に民間に就職することを決意した。そのため、今回のインターンシップでは、私の興味のある分野であり大学でも専攻している、「公共交通」や「まちづくり」のことを学ぶことができそうな「都市計画課」と「交通政策課」を志望し、私の卒業論文等、将来に役立てたいとの思いで参加した。
結論から申し上げると、「卒業論文に活かしたい」という思いは見事に叶い、とても有意義な時間となった。また、公務員という職業に対するイメージとのギャップを確かめることができ、公務員の解像度が大きく高まった。
五日間のインターンシップの初日と最終日は半日を使って、同じ時期に参加している他の学生達とのグループワークがあった。そこでは、私を受け入れて下さった課以外の課のことや、他の学生がどのような思いでこのインターンシップに参加しているのかを知ることができ、ファーストキャリアが公務員ではないことが確定している私は少し異色な存在であることを改めて感じた。
都市計画課、交通政策課に配属された後は、各日午前中は高松市として取り組んでいる政策を座学で学び、午後は現地に連れて行っていただくという、学びと実践の形で、様々なことをより詳しく学ぶことができた。私が元々興味がある事柄ばかりであり、大学の講義などでも学んだことがあったものも多かったため、あらかじめ知識を持っているものも多くあった。おかげで、より理解が深まったり、既に知っているからこそできる質問をしたりすることもできた。また、実際に高松市に二年と数か月住んでいるからこそわかることや、普段感じていることを市役所の職員の皆さんに伝えられる機会になったという面でも非常に有意義であった。市民などの外部の意見が実はなかなか入ってこない職場で、貴重な学生の意見として、私の意見をとても尊重してくださり、今後取り入れられるのか、一市民として、とても楽しみである。
特に印象に残ったのは、「ことでんを軸にした高松市の公共交通網の再編」である。高松市はJR四国の路線が予讃線と高徳線の二路線、そして、ことでんの琴平線・長尾線・志度線の三路線、そして主にことでんバスが運行することでんバスが約40路線ある。これほどまで多様な公共交通機関があるのは、全国の地方都市でも珍しく、特に、地域交通を担っていることでんを軸としてバス路線の再編を行っているそうだ。実はこの事業についてはよく知っており、特に新駅である伏石駅の恩恵は日々受けていた。しかし、新駅の1つである伏石駅だけでなく、もう一つの新駅である太田-仏生山間の新駅、通称「新駅2」の工事現場にも連れて行っていただいた。まだ工事が始まっていないのかと思っていたが、既に新駅設置予定箇所の周辺の住居は立ち退き済みで、今は埋蔵物調査が行われているとのことだった。数年後にはここに駅ができるのかと考えると、想像もできなかったが、非常に楽しみである。ことでんの新駅をつくり、路線バス網を再編させることによる経済効果等を綿密に計算して政策だそうだ。全国的・世界的にも注目されている「高松モデル」の最先端を解説とともに見ることができ、このインターンシップに参加しなければできない経験をさせていただいたため、特に印象に残った。
受け入れていただいた都市計画課、交通政策課の職員の皆様だけでなく、最初と最後の交流会を開いてくださった人事課の皆様も、このインターンシップが私たち学生にとって良い経験にするために、とても尽力されたことが実感できた。高松市ならではの良さを聞くことができて、私自身高松市に愛着が湧くきっかけとなったり、公務員全般の働き方について、本音で答えていただき、自分のキャリア選択に自信を持つことができた。夏の時点でまだ公務員か民間か決めかねている人には、是非参加してほしいインターンシップである。