【2022年参加】 香川大学 法学部  A・Fさん

8月から9月にかけて、香川県警察本部での5日間のインターンシップに参加させていただいた。主に交通警察に関わるさまざまなことを学び体験させていただく中で、香川県警察が行っている業務内容を知ると同時に、自分自身の交通マナーを見直すきっかけになる良い機会となった。
警察と聞くと、ドラマなどでよく見る刑事部が頭に浮かぶことが多く、交通部という組織があることを知らなかった。しかし今回のインターンシップで交通警察の業務内容を教えていただき、身近なところで私たちの安心・安全を守ってくれていることを知った。交通部の方が交通警察はあまり目立つ部門ではないが、交通事故では殺人事件と同様に尊い命が失われているとおっしゃっていたのが印象に残っている。
インターンシップではまず、香川県内の交通事故情勢を学び、昨年に発生した交通事故を分析することで、香川県の自転車事故の被害者は学生や免許返納後の高齢者が多く、通学・通勤時に事故が多発していることに気づいた。それを受けて考えたラジオ放送原稿や動画制作では、自転車マナーを守ることやヘルメット装着の重要性を再確認し発信するとともに、これからの学生生活、社会人生活に活かすことのできる文章構成や動画編集等の技術を身に付けることができた。
過去の交通事故現場見学では通学中の自転車に乗った高校生が自動車と衝突した現場を見学し、自分自身も通学中に通るような道であったため身が引き締まる思いがした。そこではなぜ事故が起きてしまったのかを自動車、自転車双方の視点から考え、互いの気持ちを意識し合うことが大切だと学んだ。また、深く意味を考えたことがなかった標識やマークが事故防止に役立っていることを知ることができた。
最終日に受講した被害者支援講話では相談員として事情聴取の体験をさせていただくことで、被害者の気持ちに寄り添いながら正確に被害状況を聴き取ることの難しさを実感した。特に、相談員が被害者と話す中で意図せず被害者を傷つけたり不快にさせたりする可能性があること、被害者支援は警察だけの仕事ではなく周囲の人間全員で行うべきであるとおっしゃっていたことが印象に残っている。相談を受ける際には講話で学んだ被害者との向き合い方を意識しつつ、人としての心を忘れずに対応したい。
今回、香川県警察のインターンシップに参加させていただいたことで、警察組織の一員として香川県民の安全な暮らしを守りたいという気持ちがより強くなった。特に交通事故は過去の事例を分析し適切に標識を配置することで減少させられることを学び、これまで意識していなかった交通への興味が深まったため、交通の面で地域に貢献していきたいと考えるようになった。また、学部や学年が異なる初対面の他のインターンシップ参加者と動画作成等の共同作業を行うことで、周囲の人たちと協力し一つのものを作り上げる力をより高めることができたと考える。
さまざまな体験をさせていただき、警察という職業のみならず社会人として生きていくために必要なことを多く学ぶことができたため、この経験を今後の生活に生かしていきたいと強く思う。