【2013年参加】 香川大学 教育学部 R.Iさん

私は、2013年の9月9日から13日までの五日間、香川医療生協様で研修を行わせていただきました。福祉関係の仕事に就きたいと考えていたことや、今まで馴染みのなかった事務という仕事を経験してみたいという思いから、香川医療生協様での研修を希望しました。研修をする上で、医師や看護師といった立場からではなく、事務という立場から患者様へどのように関わるのかを学ぶこと、そして働くということはどのようなことかを肌で感じ、社会人と学生の違いを改めて意識し、就職活動に生かすことを課題としました。以下からは、五日間の業務の内容とそれを通して感じたことを述べていきたいと思います。

一日目は、まず病理検査室や庶務課、病棟などを始め、病院内の見学をし、説明を受けました。午後は、医療事務課での業務について、また五日間を通して私が体験していく業務についての説明を受け、実際に受付に立ち、職員の方と患者様のやり取りを見学しました。二日目は、患者様のカルテ出しやカルテの片づけ、患者様へのお渡しなどを体験しました。また、新患カルテという、新しくいらっしゃった患者様のカルテの作成を新しく学びました。三日目には、会計業務の見学をし、その後カルテ出しやカルテのお渡し、特定健診票や新患カルテの準備などを行いました。また、保険証の確認の方法や処方箋の打ち出し方などの説明を受けました。四日目には、午前中は今まで教えていただいたカルテのお渡しや保険証の確認、特定健診票の作成などの業務を中心に行いました。午後からは病棟やナースステーションの見学を改めて行い、それぞれの病棟での違いを教えていただきました。特に、香川医療生協様の特色の一つである緩和ケア病棟について詳しく知ることができました。さらに、こどもクリニックの見学もさせていただき、高松平和病院とは異なる特色を知るとともに、相談室に勤務されている臨床心理士の方のお話を聴かせていただきました。五日目には、患者様から診察券を受け取り、カルテ出しをしてお渡しするという受付の一連の業務や、五日間で学んだすべての業務を行わせていただきました。

この五日間を通して、事務という立場からの患者様への関わり方は受付や会計でやり取りをするということだけではないということが分かりました。受付の裏で、カルテを見ながら処方箋を打ち出したり、救急の連絡を受けて患者様と医師の方をつなげる役割を果たしたりと、今までは見えなかった医療事務課の忙しさを目の当たりにしました。しかし、どれだけ忙しい中でも受付に出ると丁寧に患者様へ対応をしており、オンオフの切り替えの重要性を感じました。丁寧な対応といっても、ただ伝わりやすいように気をつけて受付や会計を進めるということだけではなく、駐車券の確認をして患者様の手間を省いたり、患者様の容態や経過を確認する声掛けを行ったり、お金の計算を一緒に行うだけでなく患者様が使いやすいように両替をしたりといった、相手の立場に立った気遣いのある対応のことで、数分という短いやり取りの中で垣間見えました。相手の立場に立った気遣いは福祉関係の職場に限らず、どのような職種でも必要になってくることであると考えられます。今回、実際にそのような姿を何度も見る機会をいただけたことが私の中で一番の収穫です。

また、私がしているアルバイトでは、個人プレーが主で、他のアルバイトや社員の方と共同で作業を行うことがそれ程ありませんが、今回の研修では、個人個人の業務もある中で、場面に応じて、役割を柔軟に変えている場面が多く見られ、働く上での協調性の重要さも肌で感じられました。後半からは自ら率先して動くことや自主的に尋ねることができるようになったように感じたので、それらを生かして日頃から周りを見て動いたりはっきりと考えを伝えてやり取りをしたりすることをこれからの課題としたいと思います。