【2017年参加】 香川大学 経済学部 I.Yさん

 (市民政策局 くらし安全安心課)

私は夏の長期休みの期間中、5日間に渡って高松市役所の市民政策局くらし安全安心課にてインターンシップに参加させていただきました。私が今回のインターンシップに参加した理由は、進路選択において迷いがあるため、地方公務員がどのような仕事をしているのかを知り、業務を体験させていただくことで実際に職場の雰囲気を感じたいと考えたからです。
くらし安全安心課は交通安全係と防犯・空き家係、消費生活センターの3つから組織されていて、警察や地域の安全組織と連携しながら、市民生活の安全を提供することを目指しています。また、インターンシップ期間中はくらし安全安心課だけではなく、NEXCO西日本四国支社や高松市美術館も見学させていただき、業務についてお話を伺うことができました。

防犯・空き家係では、居住環境の整備や防犯灯の整備により市民に安全を提供します。私は空き家の現場視察に同行させていただき、業務について伺いました。市民から苦情が寄せられた空き家へ視察に出向いて現状の確認と写真を撮影した後、空き家の持ち主に適正な管理についてお願いの連絡をするそうです。特に危険な空き家に対しては強制的な撤去を行う手段もありますが、これは持ち主の所有権を失わせるという大きな効果を持つため、慎重に行う必要があるそうです。公務職場では市民のためとはいえ、法令を守ることが強く求められ、特に大きな効果を持つ行政措置の場合は、緊急性があっても慎重に対応しなければならないとわかりました。

交通安全係では、交通安全啓発や地域の組織と連携した見守りを行っています。地域のコミュニティセンターや幼稚園での交通安全教室に同行させていただき、交通指導員の方からも業務について伺いました。現在は高齢者が交通事故に遭うことが多く、夜間に出歩く際の服装や反射材の着用について見直してもらうことが主な教室の内容です。実際に部屋を暗くして夜間の色の見え方を再現するなど実験を含めることで、聞き手の方に納得してもらえます。このような工夫をすることで、参加された方が今後交通安全について意識してくれるようになるそうです。
また、交通安全教室などで地域の施設に出向くと、市民の方からはコンビニの駐車場を利用するトラックの騒音についての苦情の声や、道路に線を引いてほしいとのお願いの声を突然かけられる場面がありました。しかし、安全で安心な生活を市民の方に提供したくても市役所が対応できることには限界があります。そのため自分が担当する業務だけではなく、ほかの課の業務、加えて様々な知識持っておくことで適切なトラブル解決に向けた助言ができるとわかりました。

消費生活センターは、適正な計量を啓発、検査する計量行政と消費者を保護、育成する消費者行政が主な業務内容です。情報通信技術が発達する中で、消費生活においてのトラブルは多様化しています。そこで消費生活センターでは様々なトラブルについて、専門の相談員が市民と相談をしながら解決に向けて助言してくれます。また、啓発活動により消費生活のトラブルに対策をしています。特に計量行政について、このような業務が市役所にあるとは知りませんでした。しかしたとえば、お店に並ぶ商品は記載されている通りの容量であると、私は思い込んでいましたがそれは誰かが検査しなければ実際は分からない事です。正しい計量が確保されないと私たちの経済活動はなりたたないため、実はとても重要な業務であるということがわかりました。
市役所の職員の方から仕事についてお話を伺う中で、市役所内では市民の方と関わることが多いが、様々な仕事があり、職場の雰囲気もそれぞれであること、配属先が自分に合っていないと感じることや、時に市民の方と衝突することもあるが、不正は許さず業務を全うする気持ちがあればとてもやりがいを持って続けられると教わりました。実際に業務を体験する中で、職員の方から仕事についてお話しを伺うことができ、自分の進路を考える上でいい経験になりました。

最後になりましたが、ご多忙の中、インターンシップ受け入れ先として貴重な機会をくださった高松市役所くらし安全安心課の皆様には心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。